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アレキサンドライトについて
アレキサンドライト(Alexandrite)は、化学組成 BeAl₂O₄ を持つクリソベリル(金緑石)のうち、光源によって色調が変化する「アレキサンドライト効果」を示す稀少な変種です。斜方晶系に属し、主にクロム(Cr³⁺)がアルミニウム(Al³⁺)の一部を置換することで特徴的な発色と変色性を示します。一般に昼光や昼光色の照明下では緑~青緑色、白熱灯など暖色系の光源下では赤~赤紫色を呈し、その色変化の明瞭さが大きな特徴です。
アレキサンドライトは強い多色性も示し、結晶を見る方向によって緑色、橙色、紫赤色など異なる色調が観察されます。なお、多色性と光源の違いによるカラーチェンジは別の光学現象であり、後者はクロムを含む結晶の特徴的な光吸収と光源のスペクトル分布によって生じます。古くはロシア・ウラル地方がクラシック産地として知られ、ブラジル、スリランカ、東アフリカなどからも産出します。バナジウム起因の変色が顕著なものがタンザニアなどからも産出しますが、成分比や変色の程度により鑑別上「カラーチェンジ・クリソベリル」と区分される場合もあります。
クリソベリルは板状~柱状の結晶を形成するほか、接触双晶や貫入双晶がよく発達し、三つの結晶が組み合わさった三連晶(トリリング)では擬六角形状の特徴的な外観を示します。アレキサンドライトの鉱物標本では、結晶形態や双晶の発達、透明感、母岩との組み合わせに加え、異なる光源下での変色性や見る方向による多色性も重要な観察ポイントです。
