全50件中 1-48件を表示
スペサルチンについて
スペサルチン(Spessartine/スペサルティン/満礬柘榴石)は、理想化学式 Mn²⁺₃Al₂(SiO₄)₃ を持つマンガン・アルミニウム系のガーネットで、等軸晶系に属する独立した鉱物種です。結晶は菱形十二面体や偏菱二十四面体、それらを組み合わせた自形結晶として産するほか、粒状・塊状の集合体としても見られます。
スペサルチンの特徴的な黄橙色~オレンジ色には主に結晶構造中のMn²⁺が関係します。天然ではFe²⁺を含むアルマンディン成分などとの固溶が一般的で、その組成によって赤橙色、赤褐色、褐色などさまざまな色調を示します。同じ結晶の内部でもMnとFeの割合が変化し、組成ゾーニングとして記録される場合があります。
代表的な産状の一つが花崗岩質ペグマタイトです。ペグマタイト中では石英、長石、雲母、トルマリン、ベリル、トパーズなどと共生することがあり、結晶分化の進行に伴ってMnに富むスペサルチン成分が増加する例も知られています。そのため、ペグマタイト中のガーネットのMn/Fe比や組成ゾーニングは、マグマの分化過程を調べる手掛かりとしても研究されています。
スペサルチンはペグマタイトだけでなく、花崗岩や流紋岩などの火成岩、マンガンに富む変成岩、スカルンや交代作用を受けた岩石など、さまざまな地質環境から産出します。標本では、オレンジ~赤褐色の色調だけでなく、結晶形、表面の成長・溶食模様、組成ゾーニング、インクルージョンや共生鉱物などに、形成環境による違いを観察できます。
