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オイル入り水晶について

オイル入り水晶(Petroleum-included Quartz/Oil in Quartz/石油入り水晶)は、水晶(Quartz/SiO₂)の内部に石油などの炭化水素を含む流体包有物が閉じ込められた鉱物標本です。「オイル入り水晶」は独立した鉱物種ではなく、炭化水素を含むインクルージョンを持つ水晶に用いられる名称です。

流体包有物は、水晶が成長する際に周囲の流体の一部が取り込まれたり、結晶形成後に生じた微細な亀裂へ流体が入り、その亀裂が再び癒合したりすることで形成されます。オイル入り水晶では、液状の炭化水素だけでなく、水、気体、アスファルタイトなどの瀝青質固体を伴う複雑な包有物も知られています。包有物の相数や組成は標本によって異なり、液相のみのものから、液体と気体、さらに複数の液相や固相を含む多相包有物までさまざまです。

炭化水素を含む流体包有物の大きな特徴の一つが紫外線に対する蛍光です。石油成分を含む包有物には、長波紫外線などの照射によって黄色、黄緑色、青色などの蛍光を示すものがあり、その色や強さは炭化水素の化学組成や状態によって異なります。また、気相を伴う包有物では内部の気泡が移動することもあり、メタンなどの炭化水素ガスを含む例も知られています。

石油を含む流体包有物は、鉱物標本として特徴的な外観を持つだけでなく、水晶が形成された時期やその後に周囲を移動した流体の情報を保存しています。そのため地質学では、過去の石油の存在や移動、炭化水素流体の組成などを調べる手掛かりとして研究されています。オイル入り水晶では、水晶の結晶形や透明度だけでなく、包有物の形・分布、液相や気相の状態、可動気泡、紫外線下での蛍光などを観察できます。