全13件中 1-13件を表示
スモーキークォーツ(Smoky Quartz/煙水晶)は、灰色から褐色、黒褐色までの煙を帯びたような色調を示す水晶(Quartz/SiO₂)の変種です。とくに非常に濃い褐色からほぼ黒色を呈するものは、黒水晶(Morion/モリオン)と呼ばれます。モリオンは別の鉱物種ではなく、濃色のスモーキークォーツに用いられる名称です。
天然のスモーキークォーツの色は、石英結晶中の微量なアルミニウムに関係する色中心が、周囲の岩石などから受ける自然放射線の作用によって形成されることで生じます。黒色の鉱物を大量に含むため暗く見えるのではなく、石英の結晶構造内に生じた色中心が光を吸収することによる発色です。アルミニウムの量や放射線の影響、結晶成長時の内部構造などによって、淡い灰褐色から濃褐色、ほぼ黒色まで色の濃さが変化します。
色は結晶全体に均一に現れるとは限らず、部分的な濃淡や色帯、ファントム状のゾーニングを示す標本もあります。水晶そのものは三方晶系に属し、六角柱状の外形を持つ単結晶やクラスター、両錐結晶などさまざまな形態で産出します。スモーキークォーツは花崗岩質ペグマタイトの空隙や石英脈、火成岩・変成岩中の裂罅など世界各地のさまざまな地質環境で見られ、産地によって結晶形、透明度、色調、ゾーニングや共生鉱物などに違いがあります。
なお、水晶のスモーキーカラーは人工的な放射線照射によって形成することも可能で、加熱によって色中心が変化し、煙色が薄くなることも知られています。天然標本を観察する際には、淡い煙色からモリオンと呼ばれる濃色までの色彩だけでなく、結晶形、成長構造、透明度、色帯やインクルージョンなども見どころとなります。
