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デマントイドについて

デマントイド(Demantoid)は、ガーネットグループの鉱物種アンドラダイト(Andradite/灰鉄柘榴石)のうち、黄緑色から鮮やかな緑色を示す変種です。母体となるアンドラダイトは理想化学式 Ca₃Fe³⁺₂(SiO₄)₃ を持つ等軸晶系の鉱物で、菱形十二面体や偏菱二十四面体などの結晶形を示します。デマントイドの色にはFe³⁺が関係し、産地によっては微量のCr³⁺がより鮮やかな緑色を生じさせます。

アンドラダイトはガーネットの中でも高い屈折率と非常に強い分散を持ち、カットされたデマントイドでは虹色の強いファイアーが現れます。「Demantoid」という名称も、このダイヤモンドを思わせる光学的特徴に由来します。色調は黄緑、草緑、鮮緑から深い緑色まで幅があり、組成や微量元素によって違いが現れます。

デマントイドの代表的な形成環境には、大きく分けて蛇紋岩に伴うタイプとスカルンに伴うタイプがあります。ロシア・ウラル地方、イタリア、イラン、パキスタンなどでは、かんらん岩などの超苦鉄質岩が蛇紋岩化した岩体中を流体が循環することで形成されたデマントイドが知られています。一方、ナミビアやマダガスカルなどでは、炭酸塩岩とマグマ由来の流体との反応によって形成されたスカルン鉱床から産出します。

蛇紋岩型のデマントイドには、「ホーステール」と呼ばれる放射状~湾曲した細い内部構造が見られることがあります。従来はクリソタイルなどの蛇紋石インクルージョンとして知られてきましたが、ウラル産の近年の研究では、多くが中空の微細な管状構造で、一部に蛇紋石が含まれることが示されています。ホーステールはロシア産だけに限定されず、イタリア、イラン、パキスタンなどの蛇紋岩型デマントイドからも知られています。

デマントイド標本では、緑色の濃淡だけでなく、菱形十二面体などの結晶形、成長ゾーニング、ホーステールをはじめとするインクルージョン、蛇紋石やスカルン鉱物との共生など、形成環境によって異なる特徴を観察できます。