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モルガナイトについて

モルガナイト(Morganite)は、ベリル(Beryl/緑柱石)のうち、ピンクからオレンジピンク色を示す色彩変種です。ベリルは理想化学式 Be₃Al₂Si₆O₁₈ を持つ六方晶系の環状ケイ酸塩鉱物で、モルガナイトのピンク色は結晶構造中に取り込まれた微量のマンガンに由来します。淡いピンク、紫がかったピンク、オレンジピンク、サーモンピンクなど幅広い色調を示します。

モルガナイトには多色性があり、観察する方向によってピンク色の濃さや色味が異なって見えることがあります。結晶は六角柱状~短柱状のほか、比較的扁平な形態を示すものもあり、透明から半透明の結晶が見られます。産地や結晶によって、色帯やゾーニング、成長模様、流体・鉱物インクルージョンなど内部構造にも違いがあります。

モルガナイトは花崗岩質ペグマタイトを代表的な産状とし、花崗岩や熱水脈などからも産出します。ペグマタイトではベリリウムやリチウム、セシウムなどの希元素が濃集する過程でベリルが形成され、大型でよく発達した結晶を生じることがあります。石英、長石、雲母、トルマリンなど、ペグマタイトを構成する他の鉱物との共生も見られます。

「Morganite」の名称は、1910年にマダガスカルで発見されたピンク色ベリルをもとに、George F. Kunzがアメリカの実業家・宝石収集家J. P. Morganにちなんで提案したものです。モルガナイト標本では、ピンク~オレンジピンクの色彩だけでなく、結晶形、透明度、ゾーニング、インクルージョンや共生鉱物など、ベリル結晶としての多様な特徴を観察できます。