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ルチル入り水晶(Rutilated Quartz/Rutile in Quartz)は、水晶(Quartz/SiO₂)の内部にルチル(Rutile/TiO₂)をインクルージョンとして含む鉱物標本です。ルチル入り水晶は独立した鉱物種ではなく、ルチルを包有する水晶に用いられる名称です。「針入り水晶」と呼ばれることもありますが、水晶中の針状包有物にはルチル以外の鉱物もあるため、すべての針入り水晶がルチル入り水晶というわけではありません。
ルチルは正方晶系に属する二酸化チタン(TiO₂)の鉱物で、細長い柱状から針状の結晶を形成することが多く、水晶中では一本ずつ伸びたもの、平行な束状、放射状などさまざまな形態で見られます。また、一定の角度で双晶を繰り返し、網目状に発達したルチルはサゲナイト(Sagenite)と呼ばれます。色も黄金色や黄褐色、赤褐色、銀灰色など多様で、ルチルの組成や結晶の状態によって異なります。
水晶とルチルの形成関係も標本によって異なります。ルチルが先に形成され、その後成長した水晶に包み込まれた例があり、赤鉄鉱(Hematite)などを核としてルチルが放射状に成長し、星状の集合体を形成する標本も知られています。このようなインクルージョンの方向や分布、共生鉱物は、水晶とルチルが形成された過程を観察する手掛かりにもなります。
ルチルは火成岩、ペグマタイト、変成岩、熱水変質を受けた岩石など幅広い地質環境に産し、水晶との共生・包有も世界各地で見られます。ルチル入り水晶では、水晶の透明度や結晶形だけでなく、ルチルの色、太さ、長さ、密度、配列、双晶、放射状集合や共生鉱物など、標本ごとに異なる内部構造を観察できます。
