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翡翠輝石 糸魚川ひすいについて
糸魚川ひすい(糸魚川翡翠)は、新潟県糸魚川―青海地域に産する国産翡翠で、主に翡翠輝石(Jadeite/NaAlSi₂O₆)からなる翡翠輝石岩(Jadeitite/ジェダイト)として知られています。宝石・工芸の分野では硬玉と呼ばれる翡翠にあたり、角閃石を主体とする軟玉(ネフライト)とは鉱物学的に異なります。緻密に組み合った微細な結晶による高い靭性も特徴です。
糸魚川―青海地域の翡翠輝石岩は蛇紋岩メランジュに伴って産し、その形成には地下深部での熱水活動が関係したと考えられています。約5億2000万年前のジルコンを含む翡翠輝石岩も知られ、日本列島形成初期の沈み込み帯や地質構造の発達を考えるうえでも重要な岩石です。小滝川や青海川のヒスイ産地は、糸魚川を代表する地質学的遺産として知られています。
純粋に近い翡翠輝石は白色ですが、構成鉱物や微量元素の違いによって緑、青、淡紫、黒など多彩な色調を示します。糸魚川のひすいは縄文時代から大珠や勾玉などに利用され、日本の玉文化と深く関わってきました。2016年には日本鉱物科学会により「ひすい(ひすい輝石およびひすい輝石岩)」が日本の国石に選定され、鉱物学・地質学だけでなく、考古学・文化史の面からも重要な存在となっています。
