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玄能石について
玄能石(Glendonite/グレンドナイト)は、六水和炭酸カルシウム鉱物イカアイト(Ikaite/CaCO₃·6H₂O)が方解石(Calcite/CaCO₃)へ変化する際に、もとの結晶外形を残して形成された仮晶です。玄能石そのものは独立した鉱物種ではなく、イカアイトの形態を受け継いだ方解石の集合体として知られています。
イカアイトは主に低温環境で形成される不安定な含水炭酸塩鉱物で、温度や周囲の化学環境の変化によって方解石へと変化します。この過程で外形が保持されるため、玄能石には双角錐状、くさび状、星状・放射状など特徴的な形態が見られます。堆積岩中や炭酸塩コンクリーション中に産出し、その形成には堆積物中の初期続成作用も深く関係しています。
先駆鉱物であるイカアイトが低温環境と関係して形成されることから、玄能石は古環境や古気候を考察するうえで重要な地質学的資料として研究されてきました。標本では独特の結晶外形だけでなく、方解石への置換によって生じた表面組織や母岩・コンクリーションとの関係なども観察上の特徴となります。
