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異極鉱について

異極鉱(Hemimorphite/ヘミモルファイト)は、化学式 Zn₄Si₂O₇(OH)₂·H₂O で表される含水亜鉛ケイ酸塩鉱物で、Si₂O₇基を持つソロケイ酸塩鉱物に分類されます。斜方晶系に属し、無色~白色を基本に、淡青色、淡緑色、灰色、褐色などを呈します。薄板状~柱状の結晶のほか、束状・扇状、放射状、葡萄状、鍾乳状など多様な集合形態を示します。

最大の特徴は、結晶軸の両端で異なる結晶面を形成する「異極性(hemimorphism)」です。この特徴が和名の「異極鉱」および英名 Hemimorphite の由来となっています。結晶構造が極性を持つため焦電性も示し、温度が変化すると結晶の両端に異なる電荷が生じます。透明~半透明の結晶ではガラス光沢から真珠光沢を示し、淡青色の葡萄状・放射状集合体も異極鉱を代表する形態として知られています。

異極鉱は主に亜鉛鉱床の酸化帯で形成される二次鉱物で、閃亜鉛鉱などの亜鉛鉱物が風化・酸化した過程で生成します。菱亜鉛鉱(スミソナイト)、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、白鉛鉱、水亜鉛銅鉱などと共生することがあり、鉱物標本では異極性を示す結晶形態、放射状・葡萄状集合の発達、透明感や色調、共生鉱物との組み合わせなどが重要な観察ポイントとなります。