全12件中 1-12件を表示
緑水晶(Green Quartz/グリーンクォーツ)は、緑色から黄緑色、灰緑色などの色調を示す水晶(Quartz/SiO₂)に用いられる名称です。独立した鉱物種ではなく、緑色を生じさせる原因は一つではありません。水晶内部に取り込まれた緑色鉱物によって色づいて見えるものや、石英そのものの発色機構によって緑色を示すものなど、複数のタイプが知られています。
鉱物標本として見られる緑水晶では、緑泥石(Chlorite)や角閃石グループの鉱物、クロムを含む白雲母であるフックサイト(Fuchsite)、ヘデンベルグ輝石(Hedenbergite)などがインクルージョンとして含まれることがあります。これらが微細な粒子や針状・板状結晶として水晶内部に分布することで、結晶全体が緑色を帯びたり、成長面に沿ったファントム、雲状や苔状の模様を形成したりします。
インクルージョンの種類や粒径、量、分布は産地や形成環境によって異なり、透明な水晶内部に明瞭な緑色鉱物が見えるものから、微細な包有物によって結晶全体が均一に緑色を帯びるものまで、さまざまな外観が見られます。また、同じ緑色に見える標本でも、外観だけから包有鉱物を確実に特定できない場合があり、正確な同定にはラマン分光などの分析が必要になることがあります。
一方、プラシオライト(Prasiolite)は、緑色鉱物のインクルージョンによるものとは異なり、鉄などに関係する石英内部の発色機構によって透明な緑色を示す石英です。天然のプラシオライトも知られていますが、アメシストへの加熱などによって緑色に変化させたものも流通しています。このように緑水晶には異なる発色機構があり、色調、透明度、インクルージョン、ファントムや成長構造などを比較できることも特徴です。
