全35件中 1-35件を表示
斧石について
斧石(Axinite/アキシナイト)は、カルシウム、アルミニウム、ホウ素などを含むソロケイ酸塩鉱物のグループで、三斜晶系に属します。代表的な鉱物種には、鉄を主とする鉄斧石[Axinite-(Fe)]、マグネシウムを主とする苦土斧石[Axinite-(Mg)]、マンガンを主とするマンガン斧石[Axinite-(Mn)]、チンゼン斧石(Tinzenite)があり、組成の違いによって色調や物性にも変化が見られます。
斧石の大きな特徴は、扁平な板状~くさび状に発達する独特の結晶形です。英名 Axinite はギリシャ語で「斧」を意味する語に由来し、斧の刃を思わせる結晶形にちなみます。褐色~赤褐色、赤紫色、黄~橙色、淡青色~淡紫色など多彩な色調を示し、透明~半透明で強いガラス光沢を持つ結晶も知られています。鉄・マンガン・マグネシウムなどの組成差は、斧石グループの色調や光学的性質を特徴づける重要な要素です。
斧石グループの鉱物は、接触変成作用やホウ素を含む流体による交代作用と関係して形成され、スカルン、変成岩、ペグマタイトなどから産出します。緑簾石、ぶどう石、ベスブ石、方解石、曹長石、石英などと共生することがあり、鉱物標本では斧状・くさび状の結晶形、結晶面の保存状態、透明感や色調、ガラス光沢、共生鉱物との組み合わせなどが重要な観察ポイントとなります。
