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カバンシ石 ペンタゴン石について

カバンシ石(Cavansite/カバンサイト)とペンタゴン石(Pentagonite/ペンタゴナイト)は、ともに Ca(VO)Si₄O₁₀·4H₂O を基本組成とするバナジウムを含む含水ケイ酸塩鉱物で、同じ化学組成を持ちながら結晶構造が異なる多形(同質異像)の関係にあります。いずれも斜方晶系に属し、鮮やかな青~青緑色を呈します。この特徴的な発色は、結晶構造中に含まれる4価のバナジウム(V⁴⁺)に由来します。

カバンシ石は細長い結晶が放射状に集合し、球状・半球状のロゼットを形成することが多く、鮮やかな青色と放射状結晶の組み合わせが特徴です。一方、ペンタゴン石は細長い柱状~刃状結晶が放射状に発達し、反復双晶によって見かけ上五回対称に近い星状集合を形成することがあります。「Pentagonite」の名称も、この特徴的な擬五角形状の結晶集合に由来します。両者は色調がよく似ていますが、結晶構造と結晶形態には明瞭な違いがあります。

カバンシ石とペンタゴン石は、玄武岩や凝灰岩などの火山岩中の空隙や割れ目に二次鉱物として生成し、束沸石、輝沸石、方沸石、魚眼石、方解石などと共生します。両鉱物のタイプ産地はアメリカ・オレゴン州のオワイヒー・ダムですが、インド・マハラシュトラ州のデカン玄武岩地域からも優れた結晶標本が知られています。鉱物標本では、カバンシ石の放射状ロゼットとペンタゴン石のシャープな星状集合という結晶形の違い、青色の濃淡、透明感、共生鉱物との組み合わせなどが重要な観察ポイントとなります。