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イリノイ州産の蛍石(フローライト/Fluorite)は、アメリカを代表するフローライト標本として知られています。イリノイ州南部からケンタッキー州西部に広がるIllinois–Kentucky Fluorspar District(イリノイ–ケンタッキー蛍石鉱床区)は、かつてアメリカ最大級の蛍石産地として採掘され、イリノイ州ではフローライトが1965年に州の公式鉱物に指定されています。
とくにHardin County(ハーディン郡)のCave-in-Rock周辺やHarris Creek地域からは、紫、青、黄、緑など多彩な色調を持つ優れたフローライト結晶が産出しました。立方体を主体とする結晶、大型結晶、鮮明な色帯やゾーニングを示す標本が知られ、方解石、方鉛鉱、閃亜鉛鉱などを伴うものもあります。同じ産地でも鉱山や鉱脈によって色彩や内部構造が大きく異なることが、イリノイ産フローライトの魅力です。
イリノイ産標本の中には、光源によって色調の変化が見られるものや、内部に炭化水素を含む包有物があり、長波紫外線によってその部分が蛍光するものも知られています。こうした内部のゾーニングや包有物、共生鉱物を含めて観察できることも、イリノイ産標本ならではの特徴の一つです。
当店では、Cave-in-Rock Mining Sub-DistrictのMinerva No.1 MineやHastie’s Quarry、Harris Creek Mining Sub-DistrictのDenton Mine、Annabel Lee Mineなど、歴史的な鉱山から産出したイリノイ州産フローライト標本を取り扱っています。イリノイ州での大規模な蛍石採掘はすでに終了しており、往年の鉱山から産出した良質な結晶標本は、産地の歴史を伝えるクラシック標本としても大きな魅力を持っています。
