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グロッシュラー(Grossular/灰礬柘榴石)は、理想化学式 Ca₃Al₂(SiO₄)₃ を持つカルシウム・アルミニウム系のガーネットで、等軸晶系に属する独立した鉱物種です。結晶は菱形十二面体や偏菱二十四面体、それらを組み合わせた自形結晶として産するほか、粒状・塊状の集合体としても見られます。
理想的な端成分に近いグロッシュラーは無色ですが、天然では鉄、マンガン、クロム、バナジウムなどの元素置換や微量成分によって、白色、黄色、橙色、褐色、ピンク色、緑色など多彩な色調を示します。黄橙色~赤橙色・褐橙色系の宝石変種はヘッソナイト(Hessonite)、鮮やかな緑色を示すものにはツァボライト(Tsavorite)と呼ばれる変種があります。これらはいずれも独立した鉱物種ではなく、グロッシュラーの色彩変種です。
天然のグロッシュラーでは、ほかのガーネット成分との固溶も重要です。とくにアンドラダイト(Andradite/灰鉄柘榴石)との間では広い固溶が見られ、AlとFe³⁺の割合が連続的に変化した中間組成や、同じ結晶内部で組成が変化するゾーニングを示すこともあります。そのため、色や外観だけではグロッシュラーとアンドラダイトを明確に区別できない標本もあります。
グロッシュラーは、石灰岩やその他の石灰質岩が接触変成・地域変成を受けたカルクシリケート岩や、マグマ由来の流体との反応によって形成されたスカルンなどに広く産します。また、超苦鉄質岩の蛇紋岩化に伴うCaに富む交代作用で形成されたロディン岩からも知られ、透輝石、ベスブ石、緑簾石、プレーナイトなどのCaに富む鉱物と共生することがあります。
グロッシュラー標本では、多彩な色調だけでなく、菱形十二面体などの結晶形、成長・組成ゾーニング、透明度、インクルージョンや共生鉱物などに、産地や形成環境による違いが現れます。
